1.21.2012

活字の大きさのはなし

活字ホルダーtypeholder

活字には「大きさ」があります。
文字の大きさには級数やpt(ポイント)などの単位がありますが、
それとは別に日本の活字特有の「号」があります。
パソコンに入っているデジタルフォントの様に
自由に拡大縮小できるわけではありません。
鋳造活字の多くは各大きさの「母型」という型からそれぞれの大きさの文字を鋳造します。

例えば、同じ「い」という文字でも各大きさごとに母型が必要ですので、
当然、活字の「大きさの数」も限られてきます。
また大きさだけでなく、もちろん書体ごとにも、それぞれの母型があるので、
日本の活字屋さんは膨大な数の母型を保有していることになります。

和文活字において、一番大きな活字は初号(42pt)。
5号(上から3段目中央)を基準に、その倍が2号(2段目中央)、その倍が初号(1段目)となり、、、
5号(10.5pt)→ 2号(21pt)→ 初号(42pt)
4号(13.75pt上から3段目左)→1号(27.5pt上から2段目左)
6号(8pt上から3段目右)→3号(16pt上から2段目右)
という大きさが基本になります。
※写真上から初号、左上から1号、2号、、と並べてみました。

そのほかに、活字屋さんの持っている母型によって
9pt、7pt、5.25pt(7号)、4.5pt、4ptなどの活字があります。

名刺でよく使われる、
5号(10.5pt)、9pt、8pt、6ptあたりは多くの活字屋さんで取扱ってますが、
初号、1号の活字は鋳込みが難しく、現存している活字は貴重です。

大きさにとらわれず、お好きな活字を組めるのが活字ホルダーの利点です。
慣れてきたらホルダー内での組版にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?